国土数値情報

 国土地理院国土数値情報資料によるという日本地図センター作成の地図カレンダーがある。毎日座る目の前の壁に掛けているが、普通の地図帳ではよくわからない地質構造線の裂け目などが見事に再現されている。

 この地図は自然地形のみを描いているので、利用している国土数値情報は海岸線、地形、沿岸水域、標高、起伏量などであろう。これらの情報は、国土を分割していった最小区域(メッシュ)ごとに与えられる。日本全域を南北40分、東西1度の区画に分割すると20万分の1地勢図の図郭を得、これを8×8等分するとほぼ2万5千分の1地形図の図郭に当たり、これをさらに10×10等分して30秒×45秒(緯度35度で南北約0.9km、東西約1.2km)の区画を基準地域メッシュとする。必要があれば、これをさらに4等分、16等分、64等分して、最小メッシュの情報を取り出す。

 地図カレンダーを目をこらして見ると、印刷点とは違うメッシュから構成されていることがわかる。縮尺を計算してこれで割ってみると、このメッシュは500m×600mぐらいであるから、基準地域メッシュを2×2=4等分した2分の1地域メッシュが情報単位となっているのであろう。

 現在国土地理院ではコンピュータ地図処理システム(CCPS)の導入に進んでいるが、これとは別に国土数値情報のソフト面を、大学の研究室などで開発してはどうであろうか。たとえば自然地形と経済・社会データなどを組み合わせて、既成の行成界とは全く独立に広域県界を創作してみるなどの仕事は、卒論の種になるかもしれない。

LinkIcon(社)日本測量協会発刊 月刊「測量」より抜粋